『아침의 문』(박민규, 문학사상)

c0077412_9523871.jpg『朝の門』(朴珉奎、文学思想社)
2010年の第34回イサン文学賞の大賞受賞作。
内容は――集団自殺で生き残ってしまった男が、今度は一人で自殺しようとビルの屋上にいき、包帯で輪を作って鉄の杭にぶらさげ、その輪に頭を突っ込んでから最後にもう一度、と世の中を眺める。すると向かいのビルの屋上におかしな恰好で寝そべっている女が目に入る。やがて、女の両脚の間の門から小さな頭が覗く。赤ん坊が生まれようとしていたのだ。こうして、この世を立ち去ろうとしている者と、この世に出てこようとしている者は、それぞれの門から頭を突き出した状態で対面する。産み落とした赤ん坊を見るのをためらい、それでもつい抱き上げておろおろしている女に、男は我知らず「おい!」と声を上げる。女はぎょっとして目を上げ、男に気づいて「なによ」と泣き声で叫ぶ。男は向かいのビルに向かって走り出す。けれども男が向かいのビルの屋上に着いたとき、女の姿は消えていた。赤ん坊は包帯(女が腹帯にしていたもの)にくるまれて泣いている。それで男は赤ん坊を抱き上げてそっとささやく。「泣くんじゃないよ」と。

『カステラ』(→こちら)に収録されている作品は、全体の状況はシュールというか荒唐無稽で、細部と登場人物の言動にはリアリティがあり、軽妙なユーモアとそこはかとないペーソスで味付けされているものが多い。しかしこの作品ではそうした面が影を潜め、暗示的で深長な作品となっている。また、作者の「人間を見る目の温かさ」が印象に残る作品でもある。この作者は大きなサングラスで表情を隠しているけれども、きっと優しい目をしているに違いない。

ところで、イサン文学賞の審査員のひとりだった申京淑の審査評が印象的なので、以下に記しておく。(申京淑は先頃、剽窃問題で話題になったが、今はそれには触れないでおく。)
수상작으로 선정된 박민규의 [아침의 문]은 탄생과 죽음의 순간을 한자리에서 조우하게 한 작품이다. 수납하기 힘들지만 우리가 당면한 강렬한 서사로 에워싸여 있으면서 근원적인 질문을 남기는 작품이다. 왜? 라는 질문을 소설이 끝날 때까지 계속 유지시키는 작가의 힘이 느껴진다. 세상에 나오자마자 봉대에 감긴 채 시멘트 바닥에 버림받은 생명을 막 품에 안은 사람은 방금 목을 매 죽으려고 했던 사람이다. 그는 원치 않는 상황에 욕설을 내뱉지만 또 막 태어난 작은 인간에게 울지 말라고 속삭이기도 한다. 이 상상력이 우리에게 활력을 불어넣어주기를 바라며 수상을 축하드린다.
(2015.5.4読了)
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by nishinayuu | 2015-08-27 09:53 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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