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『猫は山をも動かす』(リリアン・ブラウン著、羽田詩津子訳、早川文庫)

『猫は山をも動かす』(リリアン・ブラウン著、羽田詩津子訳、早川文庫)_c0077412_13464569.jpg『The Cat Who moved a Mountain』(Lilian Braun, 1992)
リリアン・ブラウン(1913~2011)の「猫シリーズ」13番目の作品。1、2,3番目の作品は既読だが、4から12までは未読(2014.11.16の時点で)。何となく、手に入った順に読んでいたため、話の内容の時間系列を無視した読み方になっていることにここに来て気がついた。特に猫好きでもないので、全部集める気にもなれないし――どうしたものだろうか。それはともかく、この作品でクィラランは莫大な遺産を相続した億万長者として登場する。

山に行きたい、という衝動を突然覚えたクィラランは、知人の勧めで、スパッズボロ(ジャガイモ自治区)にある「ポテト山脈」で一夏を過ごすことにする。ポテト山脈には開発が進んでいるビッグ・ポテトと、芸術家たちが住んでいてまだ俗化していないリトル・ポテトという二つの地区がある。ビッグ・ポテトの頂上にある広大な屋敷を借りることになったクィラランは、2匹の猫とともに車でポテト山脈に向かう。火曜に出発して金曜にスパッズボロに到着。ここまでは予定通りだったが、そこから先がとんでもなく複雑な難路で、クィラランは山の中で道に迷ってしまう。

山の自然が生き生きと描写され、自然派の旧住民と開発派の新住民の対立がもたらす様々な状況が語られていく。それだけで充分楽しめる内容なので、今回は「探偵」はナシなのかな、と思い始めた頃、つまりページ数がかなり進んでから、やっと事件の話が出てくる。常連以外の主な登場人物を以下に記しておく。
ミズ・ホーキンフィールド(クィラランの借りた屋敷の所有者)、J・J・ホーキンフィールド(スパッズボロ・ガゼットの元経営者、ビッグ・ポテトの開発を進めた人物)、デューイ・ビーチャム(リトル・ポテト地区に住む家具職人)、クリサリス(デューイの娘、織物職人)、フォーレスト(クリサリスの兄、画家、殺人罪で服役中)、エイミー(フォーレストの婚約者、食堂を経営)、イエーツ・ペニーと妻のケイト(「生焼けのパン屋」の夫婦)、ビル・トリークル(ファイヴ・ポインツ・マーケットの店長)、ヒュー・ランプトン(フォーレストの弁護士)、ジョシュ・ランプトン(ヒューの父親、元の保安官)。
(2014.11.9読了)
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by nishinayuu | 2015-08-03 13:48 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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