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『Julius Cæsar』(Shakespeare, Greenwich House)


c0077412_18245589.jpgこれは、シェイクスピア円熟期の作品で、1599年に書かれたと推定されている。5幕5場の構成でシーザーの殺害とその後の展開が描かれており、シーザーが第3幕第1場で殺されたあとの主役はブルータスである。ブルータスは、シーザーを倒したのは彼が専制的な独裁者だからだとローマ市民に説明したが、死後のシーザーは一変してローマ市民のために尽くす英雄の面貌を持つことになり、そのシーザー殺害の首謀者であるブルータスは反逆者に転落する。このシーザーの返り咲き?とブルータスの転落という逆転劇を演出したのはアントニーである。高潔で理想に燃える学者肌の政治家であるブルータスと、民衆の心を知り抜いていて、ブルータスに傾いていた民衆の心を「名演説」によって反ブルータスに持っていった実際的な政治家・アントニー。この二人の政治家それぞれの演説と市民の反応が後半の山場のひとつである。
山場といえば、シーザー殺害前夜の様々な前兆(異常な天候、手から炎を発してもやけどをしない男、街路を横切るライオンなど)の場面、そしてもちろんシーザーがEt tu ,Brute?と叫ぶ場面などがある。そしてそれらに劣らず印象的なのが終幕の、ブルータスの死に際して友人であるルシリアスが献身的行為をみせる場面である。ブルータスは政治家としては失敗したが、素晴らしい友人と従者に恵まれた幸せな人間だったといえる。
最後に主要人物をその史実上の名前とともにあげておく。
マーカス・ブルータス(マルクス・ブルトゥス、反シーザー派)
ケイアス・キャシアス(ガイウス・カッシウス、反シーザー派)
キャスカ(カスカ、反シーザー派)
マーク・アントニー(マルクス・アントニウス、三頭政治のメンバー)
オクタヴィアス・シーザー(オクタヴィアヌス、三頭政治のメンバー)
レピダス(レピドゥス、三頭政治のメンバー)
シセロ(キケロ、元老院議員)
ケイド(カト、元老院議員、反シーザー派)
ルシリアス(ブルータスの友人)
(2015.2.17読了)
☆画像はテムズ河畔のグローブ座
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by nishinayuu | 2015-06-16 18:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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