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『The Blue Bird』(Maurice Maeterlinck, Methuen′s Modern Classics)


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『L′Oiseau Bleu』の英訳版(訳:Alexander Teixeira de Mattos)。
原作は1908年に発表された童話劇で、本書は1923年の英語版に基づいた完訳版である。


冒頭に登場人物の名前が登場順に記され、続いてそれぞれの衣裳についての細かい指定がある。たとえばチルチルはペローの『親指小僧』の服装(真っ赤なニッカボッカー、淡いブルーのジャケット、白いストッキング、茶色い靴)、ミチルは「グレーテル」か「赤ずきん」の服装、という具合。
邪悪な動物やモノたちの姿を見せつけられたり、恐い思いをさせられたりする場面も多い中で、「思いでの国」と「未来の王国」という二つの場所の幻想的な美しさが心に残る。チルチルとミチルは「思いでの国」ではおじいさん、おばあさんや、幼くして死んだ弟妹(その数の多いこと!)に再会し、「未来の国」ではこれから生まれてくる弟にであう。本書で特に印象的なのは「思いでの国」にいるおばあさんが二人に言う次のことば。
Every time you think of us, we wake up and see you again.
これは大切な人を失ったときにいちばん慰めになることばである。

この作品は無声映画時代から何度も映画化されている。1976年には米・露の合作で、レニングラード・バレエ団総出演のミュージカルに仕立てられている(監督はマイ・フェア・レディのジョージ・キューカー)。この映画でエリザベス・テーラーが演じた光の精はちょっと太めでイマイチだったが、ロバート・モーレーが演じた「時を司る老人」は威厳があって印象的だった。
なお、作者のメーテルリンクはこの作品で1911年にノーベル文学賞を受賞している。
(2014.11.20読了)
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by nishinayuu | 2015-02-19 10:09 | 読書ノート | Trackback(1) | Comments(0)
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