『Ozma of Oz』(L.Frank Baum, illustration: John R. Neill, Del Rey Books)

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『オズマのオズ』(ライマン・フランク・ボーム、絵:ジョン・ニール)
著者のボームはオズの世界を描いた作品を全部で14作出しているが、これはその第3巻目で、1907年の出版。


ヘンリーおじさんと船旅に出たドロシーは、嵐に遭って船から落ちた鳥籠を追って海へ。船からどんどん遠く離れてしまったドロシーは、めんどりのビリーナとともに海上を漂流しているうちにオズの近くにあるエヴの国にたどり着く。この国は国王の死後、地下世界に君臨する妖精ノームよって王家の人々が地下世界に閉じ込められてしまったため、完全な無法地帯となっていた。王城に住むラングウィディア姫は付け替え用の頭部を30も所有していて、その日の気分によって頭部を付け替えるのだが、姫の気分も性格も新しくつけた頭部に合わせて変化する。そして気まぐれで欲張りなラングウィディア姫は、なんとドロシーの頭をNo.26の頭部と交換しろ、と言い出し、それを拒否したドロシーを塔屋に閉じ込めてしまう。そこへオズのオズマの一行が緑のカーペットを繰り広げながら登場する。このカーペットは行く手に道を作り、通った後はくるくると巻きあがって後になにも残さない魔法のカーペットである。オズマと一行によって塔から救出されたドロシーは、今度は自らがエヴの王妃と5人の王子たち・5人の王女たちを救い出すために、仲間とともに地下世界へと下りていく。彼らはノームの王が魔法を掛けて、色も形も様々な置物にされているというのだが、さてドロシーは彼らを無事に救い出すことができるだろうか。

ドロシーを取り巻く主要キャラクターは以下の通り。
ビリーナ:黄色いめんどり。人間の言葉を話す。
チクタク:考える、話す、動くという3つの機能を持つ優秀なロボット。スミス&ティンカーズ社製で、1000年間の完全保証付き。
ラングウィディア姫:亡くなったエヴ王の姪。エヴ城にメイドのナンダと二人で暮らしている。国を治める力はない。
オズマ姫:オズの世界の支配者。ドロシーと同じ年頃、同じ背格好。
オズマ姫に付き従う一行:案山子、馬の形の木挽き台、ブリキの木こり、臆病ライオン、腹ぺこタイガー

威厳のある大人の登場人物がいないせいか、『ナルニア』や『指輪物語』などに比べると児童書の色合いが強ようにも思えるが、大人でも充分楽しめる。「Oz—where the young stay young and the old grow young forever—these books are for readers of all ages」とRay Bradburyも言っている。なお、本書にはイラストがふんだんに挿入されており、動物たちは実に写実的に描かれている。これに対して主人公のドロシーは、服装がオールドファッションなのはやむを得ないとして、身体のバランスがちょっとおかしいような……。(そういえばアリスのイラストもバランスがおかしかった。)(2014.11.4読了)
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by nishinayuu | 2015-01-26 10:30 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2015-01-27 15:02 x
楽しそうなファンタジーですね。
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