『달에게 들려주고 싶은 이야기』(신경숙, 2013)


c0077412_10153740.jpg『月に聞かせたい話』(申京淑)
『浮石寺』の作家・申京淑の短編小説集。4つの章で構成され、全部で26の短編が収録されている。「ある晩、散歩の途中でふと見上げた空に澄み切った空から丸い月が私を見下ろしていた。おもしろい話は書けないの?とでも言うように。そんな月に聞かせたくて、ちょっとした時間を見つけては文を書いていった。月が笑って頷いてくれるような話を」と作者は言う。社会の現実を浮き彫りにする長編小説では見落とされがちなこの作者のユーモアが、この短編集では前面に出ていて読者を楽しませてくれる。いくつか特に印象に残った作品を記しておく。
『愛しているって?』――布教に熱を入れるあまり僧侶にまで働きかける若い牧師。腹を立てた僧侶が牧師の右の頬を打っても「あなたを愛しているからこそ」と食い下がる牧師に僧侶が「左の頬も打たれたいか」と詰め寄る。一途な若い牧師と老練な僧侶の対決。
『Jが行ってしまってから』――妹が留学した後、田舎で一人暮らしをしている母親がやたらに電話してくるようになった。特に話はないのに。それは妹が母親と毎日のように連絡を取り合っていたからだった、ということを知った姉は初めて母親と向き合い……。
『知らない人に向かって書く手紙』――ブレヒトの「私の母」という詩を読んで湧き上がった母の思い出。
『レタスの種を蒔かないと…』――死ぬか生きるかの大手術を受けた母親。やっと退院できることになったが、3ヶ月は腰を曲げたり坐ったりしてはいけない、と医者に言われて口をついて出たことばがタイトルになっている。
(2014.9.24読了)
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by nishinayuu | 2015-01-10 10:16 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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