『カステラ』(朴珉奎)

c0077412_1084830.jpg『카스테라』(박 민규著, 문학동네)
本書は表題作の『カステラ』ほか9編が収められた短編集。いずれの作品も朴珉奎独特の奇妙奇天烈な世界が展開されていて、なにこれ?という感じなのだが、その奇妙さに惹きつけられて途中で止められなくなる。そして読んでいる間はかなり笑えるのだが、そこはかとない悲しみが読後に残る。以下に掲載作品を順に挙げておく。

『카스테라』(문학동네,2003『カステラ』)――「冷蔵庫に象を入れる方法」は?
『고마워, 과연 너구리야』(세계의 문학, 2003『ありがとう、さすが狸だね』)
『그렇습니까? 기린입니다』(창작와 비평, 2004『そうですか?麒麟です』)
――以上二つは人間が動物に変身。
『몰라 몰라, 개복치라니』(문학동네, 2004『もう知らない、マンボウだなんて』)
――実は地球は丸くなかった。
『아 하세요, 펠리컨』(문학과사회, 2005『ああ、とおっしゃいよ、ペリカン』)
――遊園地の池に浮かぶアヒル型ボートが空を飛んで…。
『야쿠르트 아즘마』(한국문학, 2004『ヤクルトおばさん』)
――恐るべき便秘と、何事にも動じないヤクルトおばさんの話。
『코리언 스텐더즈』(문학수첩, 2005『コリアン・スタンダーズ」』
――宇宙人の書き残したマジックサークル(とは懐かしい。)
『대왕오징어의 기습』(문학-판, 2004『ダイオウイカの奇襲』)
――(日本にもダイオウイカの奇襲がありましたね。)
『헤드락』(실천문학, 2005『ヘッドロック』)
『갑을고시원 체류기』(현대문학,2004『甲乙考試院滞在記』)

以前韓国語講座で読んだ『갑을고시원』は集中いちばんの傑作と言える。これをテキストに選んだ講師の先生のセンスにあらためて敬意を表したい。(2014.9.11読了)
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by nishinayuu | 2014-12-13 10:09 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2014-12-14 15:16 x
『甲乙考試院滞在記』は貧しさゆえに志も果たせない若者たちが宿泊している、劣悪極まりない施設の中で起こる出来事をコミカルに描いている小説でしたが、明るさがなく暗さが際立つ印象がありました。これが過去のことではなく現在も進行中だと思うと暗澹たる気分になります。全く笑えない小説でした。
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