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『ペリカンの冒険』(レーナ・クルーン著、篠原敏武訳、新樹社)

c0077412_1111191.png『Ihmisen vaatteissa』(Leena Krohn, 1976)
主人公はフィンランドの都会に住む少年エミル。田舎に残って新しい家族と暮らすお父さんと別れて、お母さんと二人で都会に出てきてアパートで暮らしている。お母さんが夕方も仕事をするときは、エミルは近くの食堂に行って一人で食事をする。ある日エミルは、食堂の片隅で、新聞を逆さまに持って座っている人を見かける。他の人は誰も気づいていないようだったが、それは人間ではなく、明らかに大きな白い鳥だった。
こうしてエミルとペリカンとの交流が始まる。ペリカンはエミルたちと同じアパートに住んでいて、ヒューリュライネルと名のっていた。紳士服を着こなし、エミルの手助けで文字を覚え、仕事を見つけて人間社会の一員として暮らし始めたペリカンは、図書館に通ってあらゆる知識を吸収していく。芸術活動にも目覚めてオペラ劇場に通い、オーケストラの一員となり、歌手としてデビュー、とペリカンの人間活動はとどまるところを知らない。

ガチョウのモルテンの背中に乗って旅をしたニルスのように、エミルがペリカンの背中に乗って空を飛ぶエピソードも出てきたりして、楽しくて中身の濃い物語となっている。絵的にも美しいこの物語は2004年に「ペリカンマン」というタイトルで映画化され、2005年にシカゴ国際子供映画最優秀賞を受賞したという。(2014.1.19読了)
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by nishinayuu | 2014-04-13 00:37 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2014-04-15 21:53 x
楽しそうですね!
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