『週末』(ベルンハルト・シュリンク著、松永美穂訳、新潮クレストブックス)


c0077412_1515418.jpg『Das Wochenende』(Bernhard Schlink, 2008)
本書は『朗読者』と『帰郷者』の作家シュリンクによる3作目の長編。田舎の広大な屋敷を舞台に、そこで緊迫した三日間を過ごすことになった十数人の人々の人間模様を綴った物語である。登場人物をほぼ登場順にあげると以下のようになる。
クリスティアーネ:屋敷の持ち主。恩赦で釈放された弟の再出発を願って人々を屋敷に呼び集める。
イェルク:クリスティアーネの弟で元赤軍派のメンバー。殺人罪で23年服役していた。
ヘナー:ジャーナリスト。イェルクの学生時代の友人で、彼の姉に失恋したことが心の傷になっている。
イルゼ:学校教師。イェルクの学生時代の友人。友人ヤンのもう一つの人生を想定した小説を執筆中。
マルガレーテ:クリスティアーネの友人で屋敷の共同所有者。翻訳家。
ウルリッヒ:デンタルラボのオーナー。イェルクの学生時代の友人。
インゲボルク:ウルリッヒの妻。
ドーレ:ウルリッヒの娘。大柄で露出の多い服装をしている。
カリン:牧師で小さな州教会の主教。イェルクの学生時代の友人。
エーバーハルト:カリンの夫。カリンよりずっと年上の穏やかな紳士。
アンドレアス:イェルクの弁護士。
マルコ・ハーン:イェルクが再び活動家として生きることを期待している若者。
フェルディナンド:庭をうろついていた謎の若者。集いに招き入れられ、重要な役割を果たすことになる。

これらの人々に注がれる作者の温かい目と人間全般への信頼が感じられる、読後感のさわやかな作品である。(2013.12.24読了)
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by nishinayuu | 2014-03-20 15:16 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2014-03-23 19:35 x
逮捕服役前は、ドイツがまだ東西に分かれていた時代ですね。釈放されても今浦島状態なのでは? 日本では現代史の左翼の挫折を取り扱った小説はあったかしら?
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