『またまた二人で泥棒を』(E.W.ホーナング著、藤松忠夫訳、論創社)

c0077412_9111580.jpg『The Black Mask』(E.W.Hornung, 1901)
本書は「ラッフルズ」シリーズの2冊目で、『最後に二人で泥棒を』の4年前に発表されたもの。第1作目の『二人で泥棒を』の最後に海の藻屑となって消えたはずのラッフルズが劇的に復活し、またまたバニーを巻き込んで活躍する。『ホームズの帰還』ならぬ「ラッフルズの帰還」というわけだ。バニーは刑務所での勤めを終え、泥棒稼業からはすっかり足を洗っていたのに、またまたラッフルズに引きずられて危ない仕事を始めてしまう。バニーは自由気ままなラッフルズにいいように使われていて、相棒どころか助手でもなく、都合のいい手下という感じだ。そこがホームズとワトソンとはずいぶん違うのだが、腰が引けながらも泥棒に巻き込まれてしまうほどに、バニーはラッフルズの魅力にまいっているということだろう。
第1話でラッフルズは、外貌をすっかり変えてバニーの前に現れる。生きていることがばれると当局に捕まってしまうからだ。世間に顔を出せないのは不便だが、泥棒稼業には便利な面もある。こうしてラッフルズは、あるときは自分の命を、またあるときはバニーの命を危険にさらしながらも、次々に新しいことを思いついては泥棒を楽しむのである。そして最後の第8話でラッフルズは、自分の正体を明かすという危険を冒して愛国者として生きることを選び、バニーと共に二等兵としてボーア戦争に赴く。(2013.11.14読了)
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by nishinayuu | 2014-02-12 09:11 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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