『Reginald on Christmas Presents』(H.H.Munro)

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前回に引き続き『The Complete Works of Saki』である。『Reginald』で「年長者たちに不愉快な思いをさせるのを喜びとしている」やっかいな青年として登場したレジナルドが、この作品ではクリスマスプレゼントについて、世間の人びとのセンスのなさを辛辣に皮肉りつつ、あれこれ蘊蓄を垂れている。作者はOscar Wilde、Lewis Carroll、Kiplingなどに影響を受けたというが、なるほどレジナルドはオスカー・ワイルド作品の登場人物を彷彿させる。
プリンス・オブ・ウエールズのジョージ(ヴィクトリア女王の孫、ジョージ五世)の祈祷書なんかは受け取りたくない、という話から始まって、そもそもプレゼントの送り方についてはきちんとした教育が必要だ、なぜなら、と話は続いていく。
やっかいなプレゼントをくれる人間として彼はまず、ネクタイこそ最高のプレゼントと思いこんでいる田舎に住む親戚の女性を挙げる。そういう女性から水玉のネクタイでも送られてきた日には、茂った枝を縛るのに使うしかない。普通の女性に比べれば美的感覚に優れた小鳥たちが仰天して逃げていくだろうから、云々。
伯母さん・叔母さんたちも困りもの。ウエストエンドでは今では赤いウールの手袋をしている人はいない、ということをやっと教え込んだ頃には、彼女たちは寿命が尽きるとか、家族と仲違いしてしまうとかいうことになっているから、結局センスのある伯母さん・叔母さんはいつも不足がちだ、云々。アガサ叔母からもらった「九つボタンの手袋」は大嫌いな奴にやってしまったとか、自分の叔母さんというものを選べないなら、自分でプレゼントを買って請求書を叔母さんに送ったほうがいい、云々と、とにかく言いたい放題なのだ。
このあとも、もらいたくないプレゼントともらってもいいプレゼントが並べ立てられていて、いろいろお勉強になる。(2013.5.22読了)
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by nishinayuu | 2013-08-01 13:57 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2013-08-01 16:22 x
年長者に逆らえない時代なのでしょうか。それで鬱屈した文句ばかりが出てくるのかしら。
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