『黒猫オルドウィンの探索』(A.J.エプスタイン&A.ジェイコブスン著、大谷真弓訳、早川書房)


c0077412_1329385.jpg『The Familiars, Secrets of the Crown』(A.J.Epstein & A.Jacobson)
原題のfamiliarsはloyalと対になって、本書では前者のファミリアが「使い魔」、後者のロイヤルが「誠実な者」と訳されている。またSecrets of the Crownのcrownは、この物語の中でファミリアたちがそれを求めて旅に出る「ユキヒョウの王冠」のことである。
本書はシリーズの第2巻目であるが、1巻目を読んでいなくても、巻頭の登場人物紹介や、文中に出てくるちょっとした説明をつなぎ合わせれば、大きな支障はなく読み進めることができる。大人も子どもも楽しめるファンタジーと謳ってある通り、舞台設定もストーリーも魅力的である。特に、時間の流れが逆行する川の場面はいい。ただし、物語に入り込めるのはせいぜい小学生までかな、という感じで、『指輪物語』のようなスケールと深みを期待するのはむり。
物語はこの巻で完結せずに、3巻目への期待を抱かせる終わり方になっているので、ここではストーリーを細かく記すことはせずに、登場人物の紹介程度に留めておくことにする。なお、3Dアニメ映画の製作が進行中で、2013年の秋頃には公開される予定だという。スクリビウス(scribius)という名の魔法の羽ペンが自分ですらすらと文字を書いていくところなどは見ものだろう。

オルドウィン:念力を持つ黒猫で、ジャックのファミリア。メイデンメアで生まれたが、父親のバクスリー、母親のコーリスとは幼くして別れたまま。旅の道標となる不思議な子守歌を記憶している。
スカイラー:幻を作り出すことができる、とても女の子っぽいアオカケスで、ドルトンのファミリア。ニアハースト鳥類飼育場で育った。死の世界から妹たちを呼び戻したくて死の魔法について勉強している。
ギルバート:水たまりの中に未来を見る能力があるアマガエル(アンのギルバートのイメージが壊れる!)。メアリアンのファミリア。以上の三匹が「動く要塞」の奪還に必要な「ユキヒョウの王冠」を手に入れるために北へと旅立つ。
パクサハラ:邪悪な灰色ウサギ。昔は七賢獣が統治していた国があとから加わった人間に奪われたことを怒り、再び動物の魔法使いたちが統治する国を作ろうと画策。「動く要塞」の呪いを使って人間の魔力を消し、次の満月の時に使者の軍団を送り込んでヴァスティア国を制圧する、と宣言している。
ジャック:11歳の少年で魔法使いの弟子。オルドウィンをファミリアとしている。すなわちジャックはオルドウィンのロイヤルである。
ドルトン:14歳の少年で魔法使いの弟子。ファミリアはスカイラー。
メアリアン:14歳の少女で魔法使いの弟子。ジャックの姉。ファミリアはギルバート。以上の3人はパクサハラによって魔法の力を奪われたため、3匹の足手まといになってはいけないので今回の北への旅には出かけない。
ロラネラ女王:ヴァスティア国の女王。長い間パクサハラをファミリアとしていた。
モールヴァーン:メイデンメアの念力ネコのリーダーで、オルドウィンのおじ。オルドウィンに父親バクスリーが裏切り者だったと教える。(2013.1.31読了)
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by nishinayuu | 2013-04-09 13:30 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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