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『A Season of Gifts』(Richard Peck, Penguin)


c0077412_15133029.jpg『贈り物の季節』(リチャード・ペック著、ペンギン)
『A long Way from Chicago』『A Year Down Yonder』に続くダウドゥルおばあちゃんシリーズの3冊目で、時は1958年。ジョーイが9歳、メアリ・アリスが7歳だった1929年にすでにかなりの歳だったおばあちゃんがいったい何歳なのか判然としないが、とにかくとなりに引っ越してきた子どもたちには「町よりも年をとっている」ように見えた。家もあちこちガタが来ていてまるで幽霊屋敷であるが、そこの住人は幽霊にしては存在感がありすぎるのだった。
となりに引っ越してきたのはバーンハーツ一家。きまじめなメソジスト派の牧師の父親、良妻賢母の母親、おとしごろの長女フィリス、ちょっと気弱な長男ボブ、幽霊は信じてもサンタクロースは信じていない末っ子ルース・アン、という構成で、語り手は長男のボブ。すでにほかの教会がある町へ乗り込んできた形の一家には、さまざまな苦難が降りかかる。教会員が集まらないので一家の生活は苦しい。人びとは好奇の目で見るだけで手をさしのべてはくれない。そんななかでまずボブが、不良少年たちの凄まじいいじめの洗礼を受ける。そして半死半生に近い状態で、しかも素っ裸で放置されていたのをおばあちゃんに助けてもらったため、以後ボブはおばあちゃんに頭が上がらなくなる。それをいいことに?おばあちゃんは力仕事や雑用を当然のようにボブにやらせるようになる。ところがおばちゃんに捕まったのはボブだけではなかった。おばあちゃんの庭に惹きつけられて、親からとめられているにもかかわらず隣家との境を越えてしまったルース・アンは、いつの間にかおばあちゃんの弟子になっていっしょに動き回っているし、ルース・アンをひきとめていたはずの母親までが、いつの間にかおばあちゃんと同盟を結んでいるのだ。家族がどんどんおばあちゃんのペースに巻き込まれ、感謝祭の準備、続いてクリスマスの準備のために畑の世話や料理に追われる。こうしてこき使われた一年が終わろうという頃になって、ボブは初めて気がつくのだ。自分たちの家族も町の人びとも、おばあちゃんから大きな贈り物をもらっていたのだと。(2012.11.16読了)
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by nishinayuu | 2013-01-18 15:14 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2013-01-20 22:31 x
楽しそうな物語ですね。クリスマスにハッピーエンドなのでしょうね。どんな終わり方か読んでみたくなりますね。
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