『어디선가 나를 찾는 전화벨이 울리고』(신경숙著、문학동네)


c0077412_13184647.jpg『どこかで私を呼ぶ電話のベルが鳴っていて』(申京淑著、文学トンネ)
タイトルは詩人・崔勝子の「끊임없이 나를 찾는 전화벨이 울리고(絶え間なく私を呼ぶ電話のベルが鳴っていて)」から取られている。老いた両親、明洞聖堂とデモの熱気、友人の失踪、孤独のなかの死、雪に埋もれる村などなど、申京淑作品特有の世界が静かに印象深いことばで綴られていく長編小説である。
物語は「彼」が8年ぶりに「私」に電話をかけてくるところから始まる。「私」は中学生のときに一人でソウルに出てきて、従姉妹のもとで暮らした。癌にかかった母親が、傍にいたいというジョン・ユンを無理やりソウルに出したのだ。それが母なりの愛情だったが、ジョン・ユンは母が恋しくてたまらなかった。数年の闘病の末に母が亡くなったあと、ジョン・ユンは大学を休学して故郷の父のもとで暮らす。そして1年後にソウルに戻る決心をしたとき、ジョン・ユンは父から母が残した通帳を、幼なじみのタニからエミリー・ディキンスンの詩集を手渡される。
ソウルに戻ったジョン・ユンは母の残したお金でひとり暮らしを始める。そして大学に復学したジョン・ユンが尹教授の講義室で出会ったのが、やはり復学してきたイ・ミョンソだった。このとき、ミョンソはほかの大学の学生である幼なじみのミルを伴っていた。講義の後、三人が尹教授の研究室に呼ばれたときに、ジョン・ユンがミルの醜い傷跡の残る手を握ったのをきっかけに、三人は急速に親しくなる。さらに、地方の大学に行き、勉学途中で入隊したタンもそこに加わって、四人の若者は青春を駆け抜ける。
「彼」からの8年ぶりの電話に、ジョン・ユンは「今どこなの?」と応じる。まるでいつも会っている相手に言うように。尹教授の危篤を知らせた「彼」も、「ぼくがそっちに行こうか?」と応じる。以前よくそう言っていたように。二人がそれぞれの幼なじみを交えて駆け抜けた青春の日々がジョン・ユンに押し寄せてくる。(2012.10.28読了)
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by nishinayuu | 2012-12-25 13:19 | 読書ノート | Trackback | Comments(2)
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Commented by マリーゴールド at 2012-12-26 23:11 x
主人公が女性か男性か名前からはわかりにくいですね。女性か男性かで印象がずいぶん違ってきますね。たぶん女性なのでしょうね。
Commented by nishinayuu at 2012-12-28 00:17
主人公は女性です。本当に、韓国の人名は男性か女性かわかりにくいですね。特にハングルやカタカナだと。
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