『数学的にありえない 下』(アダム・ファウアー著、矢口誠訳、文藝春秋)


c0077412_1625065.jpg『Improbable』(Adam Fawer)
フォーサイス博士はケインを、というよりケインの未来予知能力を手に入れるために、プロの戦闘員を動員してケインを追い詰めていく。ケインはヴァナーと組んでこれに立ち向かう。彼らの武器は量子力学、統計学、確率論などに精通してこれを駆使するケインの超人的頭脳と、KGBとCIAで鍛えられたヴァナーの超人的戦闘力。二人にとって圧倒的に不利な状況を、ケインはその頭脳によって組み立てた緻密な計画によって切り抜けようとする。一方ヴァナーは、米国映画『Salt』のアンジェリーナ・ジョリーばりに敵を撃ちまくり、自分も瀕死の傷を負って(なぜかそれでも死なずに!)戦い続ける。随所に張り巡らされた伏線は、これは伏線だ、とすぐわかるものが多く、それらを頭に入れて読み進めていくと、期待通りのあっと驚く展開が待ち受けている。数学・物理などの専門的部分がすっきりわからなくても充分楽しめるし、後味も悪くはないエンターテインメントである。
上巻のところで紹介した人物以外で、下巻で特に重要な役割を果たす人物は以下の通り。
ドク─―デイヴィッド・ケインの大学時代の恩師。
スティーヴン・グライムズ――国家安全保障局〈科学技術研究所〉所長であるフォーサイスの部下で、盗聴・監視任務のエキスパート。
マーティン・クロウ――ケインとヴァナーを追うプロの追跡屋。高額の手術を受けさせないと死んでしまう難病の子供の父親で、報酬のためにがむしゃらにケインを追う。
ヴィタリー・ニコラエフ――地下カジノを経営するロシア人マフィア。上巻の冒頭でケインはこの人物から高額の借金をしている。(2012.9.20読了)
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by nishinayuu | 2012-11-19 16:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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