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『ひとりだけのコンサート』(ペーター・ヘルトリング著、上田真而子訳、偕成社)


c0077412_1194720.jpg読書会「かんあおい」2011年2月の課題図書。
フレンツェは3ヶ月後には13歳になる少女。(ただし、ペーター・クノルの絵ではどう見ても男の子にしか見えない。)本屋さんで働いている母親(フレンツェはマムスと呼んでいる)は、夫(ヨハネス)が最近元気がないことを心配している。フレンツェはヨハネスとマムスが言い争ったり、ヨハネスが夜中に帰宅して怒鳴り散らしたりするで、心を痛めている。ある日、昼間にキオスクでビールを飲んでいるヨハネスを見かけたフレンツェは、ボーイフレンドのホルガーといっしょにヨハネスの会社に行ってみる。そして、ヨハネスの会社が他の会社に吸収されてしまったこと、ヨハネスが200万を超す失業者のひとりになっていたことを知る。マムスはヨハネスを理解しようとつとめるが、ヨハネスは心を閉ざし、家を出てしまう。
両親のことが心配で勉強も手につかないフレンツェは、ヴァイオリンを弾くことで心を慰める。ある日、地下街でフルートを吹く少年を見かけたフレンツェは、失業者救済を訴えるためのコンサートを開くことを思い立つ。ホルガーの協力のもとに開いたフレンツェの「ひとりだけのコンサート」はしかし、ヨハネスの気持ちを傷つけてしまい、ヨハネスをいっそう家族から遠ざける結果に終わる。

ペーター・ヘルトリングはドイツの社会派児童文学の書き手で、ドイツでは最も人気のある作家のひとりだという。『ヒルベルという子がいた』(1974)をはじめとして『おばあちゃん』『ベンはアンナが好き』『ヨーンじいちゃん』『ぼくは松葉杖のおじさんと会った』などの作品は、いずれも上田真而子の訳で日本にも紹介されている。(2011.1.27読了)
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by nishinayuu | 2011-05-08 11:09 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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