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『スモールボーン氏は不在』(マイケル・ギルバート著、浅羽莢子訳、小学館)


c0077412_10313170.jpgロンドンにある法律事務所を舞台にしたミステリー。訳者の解説によると、作者は1912年生まれで、英国ミステリー文壇きっての大家。初期の作品であるこの作品は、英米でも評判がよかった代表作の一つだという。
第1章は月曜の夜。ここで法律事務所の面々、すなわち事件の当事者たちが紹介される。
第2章は火曜日。新米弁護士のヘンリー・ブーンが事務所内のことを知るために動き回るという形で、この法律事務所独自の綿密な事務処理方法、書類の保管方法、現在扱っている案件、事務所内の人間関係や力関係が明らかにされていく。
第3章は水曜日。前所長と共同で信託管財人をしていた顧客のスモールボーン氏が、書類保管箱から死体で発見される。(保管箱に身体が入ってしまうくらいスモールボーンだったということですね。)
こうして第3章で「事件」が起こり、第15章で殺人犯が判明するまで、ほぼ一章に一日が当てられて話が進んでいく。(途中で少しずれたために第13章が金曜日になっているが、この13と金曜の組み合わせには特に意味はないようである。)スコットランド・ヤードのヘイズリグ主席警部という沈着で頼もしい人物が事件を解決していくが、ブーンも警部に遜色のない推理力を発揮して活躍する。(2011.1.16読了)

☆話の流れはごく自然でわかりやすく、随所にさりげなく「笑い」も埋め込んであって楽しく読めました。というより、あまりに滑らかに話が進んでいくため、伏線を見落とし、推理することも忘れて、普通の小説のように読んでしまったのでした。
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by nishinayuu | 2011-04-23 10:31 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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