『Bungalow2』(Danielle Steel 著、Dell)


c0077412_10224841.jpg家事育児の傍ら趣味的に文筆活動もしていた中年女性・タニアに訪れた波瀾万丈の数年間を描いた小説である。ある日、タニアのもとにハリウッド映画のシナリオを書かないか、という話が飛び込んでくる。シナリオの仕事をするには数ヶ月の間家を離れてハリウッドで暮らす必要がある。平凡で平穏な家庭生活に満足していて、はじめはまったくその気がなかったタニアも、チャンスを逃すな、という夫の熱心な勧めもあって、ついにハリウッド行きを決意する。ビバリーヒルズの豪華ホテルにある「バンガロー2」に住むことになったタニアは、「シンデレラ」気分を味わう。華やかな映画人たちとのつきあいも始まる。
一方、残してきた家族のほうにも新しい生活が始まろうとしていた。隣の家に住んでいたタニアの親友が、いつの間にかタニアの後釜に収まってしまったのだ。夫とは強い信頼関係で結ばれ、3人の子どもたち(といってもすでに大学生と高校生なのだが)のよき母親であると自負していたタニアが、夫には裏切られ、子どもとの関係はこじれる、という試練にさらされる。しかしタニアは絶望のなかから立ち上がり、やがてシナリオ作家として大成功を収め、新しい家族とも出会うことになる。
波瀾万丈といっても、ハッピー・エンディングが待っていることが予想できる気楽なエンターテインメントである。ただし、同じ内容が何度も繰り返し語られて話の進展があきれるほど遅いのが難点。全体のページ数は413ページだが、200ページあれば充分なのでは?といらいらさせられるので、精神衛生にはあまりよくないかもしれない。(2011.1.9読了)
☆Chapter24の終わりのほうに次のような文が出てきます。let one’s hair downは「気を許す」、「うち解ける」という意味ですが、いくら慣用句でも男性に使うとなにか変、と思ってしまいました。
The only time he let his hair down with her was when he saw her with his children.
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by nishinayuu | 2011-04-14 10:18 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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