『パンプルムース氏の秘密任務』(マイケル・ボンド著、木村博江訳、東京創元社)

c0077412_1050265.jpgイギリス人作家によるフランス人のパンプルムース氏を主人公とした作品。『パンプルムース氏のおすすめ料理』に次ぐ第2作で、現在第5作まで書かれているという。第1作によるとパンプルムース氏は、1928年生まれで元パリ警視庁の刑事。陥穽にはまって辞職に追い込まれたが、グルメの素質を活かして「ル・ギード」というグルメ雑誌の記者になり、レストランの採点も担当している。相棒は元警察犬のポムフリット。犬種はブラッドハウンドで、嗅覚が優れているのはもちろん、料理やワインに関してはパンプルムース氏も一目置くほどの見識を持つ、ということになっている。
本作は1984年に書かれているので、パンプルムース氏は56歳ということになる。ある日、「ル・ギード」の編集長に呼び出され、秘密の任務を申し渡される。任務を達成するまでは出社禁止、つまり任務が達成できなければクビ、と宣告されたパンプルムース氏は、愛車に7つ道具を積み込み、ポムフリットを後部座席に乗せてパリをあとにする。行く先はロワール地方のサン・ジョルジュ・シュル・リーという小さな村。秘密の任務というのはそこにある「オテル・デュ・パラディ(天国ホテル)」のひどい料理をなんとかし、傾きかけている経営をたてなおす、というものなのだが、そこでは奇妙きてれつな出来事が一人と一匹を待ち受けていたのだった。
編集長の家での食事、ミセス・パンプルムースが夫にもたせたお弁当、パンプルムース氏がオテル・デュ・パラディの主であるルイーズおばさんに作ってみせる料理などが丁寧に描写されており、ワインの銘柄や年代などもふんだんに出てくる。ストーリーはミステリー風になっているけれども、グルメ本の要素のほうが強いかもしれない。(2010.9.27読了)
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by nishinayuu | 2011-01-23 10:50 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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