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『容疑者たちの事情』(ジェイニー・ボライソー著、山田順子訳、創元推理文庫)

c0077412_10503476.jpg扉の紹介文に「イギリス南西部のコーンウォール。南ヨーロッパを思わせる、風光明媚なこの地を舞台に繰り広げられる、コーンウォールの魅力満載のライトミステリ第一弾」とある。原題はSnapped In Cornwallで、この著者の本邦初訳の作品だという。
主人公のローズ・トレヴェリアンは最愛の夫を4年前になくした40代半ば過ぎの女性。風景画家であるが写真家としての仕事の方が本業のようになっている。ロンドンから移転してきて間もないガブリエル・ミルトンという女性と写真の仕事で知りあい、彼女の催したパーティーに出かけたローズは、パーティーの最中に庭でガブリエルの死体を発見してしまう。ガブリエルはバルコニーから突き落とされたことがわかり、その場に居合わせた人はすべて殺人事件の容疑者となる。
死体の第一発見者であるローズはもちろん有力な容疑者であるが、そのほかの有力な容疑者は、職場のあるロンドンからやって来ていたガブリエルの夫デニス、息子のポールとそのフィアンセであるアンナ、デニスの不倫相手でガブリエルが招待するはずのないマギー、家政婦のドリーン・クラーク、ガブリエル家に出入りしている暖房設備工のジム、その妻で異常なほど嫉妬深いアイリーンなど。好奇心に駆られたローズは、担当警部のジャック・ピアースにかくれて独自の調査を進めていく。そして気がついた時には、犯人に近づきすぎていたのだった。
洒落た仕事をしていて、ある程度の容貌と知性の持ち主でもあり、徹底的に献身的な崇拝者がついている、というあきれるほど恵まれた女性が主人公なので、緊張感も緊迫感もなく、なんとも長閑なお話。いわば癒し系ミステリーである。(2010.9.5読了)
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by nishinayuu | 2010-12-27 10:50 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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