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『1Q84-Book2』(村上春樹著、新潮社)

c0077412_9382040.jpg青豆の小学生時代は、友だちもなくて孤立した惨めなものだった。学校のない日はいつも、キリスト教の原理主義的一派に属する母親の宗教活動に連れ回されていたからだ。天悟は小学生時代から体も大きく、勉強もよくできたので周りから一目置かれていたが、やはり友だちはいなかった。学校のない日はいつも、NHKの集金人である父親の仕事に付き合わされていたからだ。そんなふたりが小学生時代に同級生として出会い、それ以来互いに相手のことを心の中で大切にしてきたことは、Book1の途中で明らかになる。このふたりの成人後の人生が、Book1に引き続いてBook2でも交互に語られていく。そしてある日、二つの月が浮かんでいる空の下で、ふたりの人生は至近距離に近づくのだが……。
Book1でたびたび言及され、終わりのほうではちらりと姿も見せた「リトル・ピープル」が、この巻では本格的に動き始める。謎の少女「ふかえり」が語り、「ふかえり」の保護者の娘が筆記し、天悟が全面的に書き直して完成させた小説のタイトルは『空気さなぎ』であるが、その「空気さなぎ」とはどういうものなのかも、この巻で見えてくる。天悟の本当の父親はだれなのか、母親はどうなったのか、天悟の年上のガールフレンドの身になにが起こったのか、といったことは説明されていないし、「ふかえり」の父親が怪物化したいきさつや母親のゆくえや、その他諸々の謎は解明されないまま残っている。これらの謎と1Q84の世界の全容が解明されるのかどうかはわからないが、とにかくここまできたらBook3も読まないわけにはいかない。牛河というひどく不気味な男と付き合うのは気が進まないのだが。(2010.8.6読了)
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by nishinayuu | 2010-12-01 09:38 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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