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『Letters From England』(Karel Čapek著)

c0077412_10162921.jpg著者はボヘミア(現チェコ共和国の西部中部地方)生まれの劇作家。ロボットという語を作った人としても知られている。この作品は1924年頃にイングランドを訪れ、イングランド的なものに触れた著者の観察記録である。物や人を見る眼は鋭いけれども辛辣さはなく、ユーモアのある温かい表現に終始している。英国と英国人への敬慕にあふれる記録、と言えようか。特に印象的だった項目は以下の通り。
First Impressions――ドーバー海峡を渡って前方に「白亜の岩壁」を目にしたときの感動は、nishinaも数十年前に味わっている。イングランドの入り口としてはヒースロー空港よりこちらのほうが叙情的でいい。
In the Country――きれいな牧草の広がる広大な土地を見て、チェコで農業をやっている自分のおじさんだったら「なんでここにカブや、小麦や、ジャガイモを植えないんだ。サクランボも作れるしカラスムギや玉蜀黍やアブラナも作れるのに」とあきれるだろう、とあり、両国の経済構造の違いが浮き彫りにされている。
Merry Old England――この国の各種の建物がいかにユニークかをおもしろおかしく描写している。
The Pilgrim Observes the People――無愛想にみえるこの国の人々が、子どもたちにはどんなに優しい笑顔を見せるか、という指摘がある。
A Few Faces――John Galsworthy, G.K.Chesterton, H.G.Wells, Bernard Shawらの外貌と人柄が、著者自筆のスケッチとともに紹介されている。(2010.1.22記)
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by nishinayuu | 2010-03-27 10:16 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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