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『失われた遺産』(ロバート・ハインライン著、矢野徹・田中融二訳、ハヤカワ文庫)

c0077412_9502655.jpg1940年代にSF雑誌に発表された作品を1953年に単行本化したもの。 雑誌発表時期も単行本化の時期も「未来史シリーズ」の作品群と重なる。つまり本書は「未来史シリーズ」を除いた代表作を集めた一冊である(解説より)。
収録作品は以下の4編。
『深淵』――「新人類」である超能力集団から潜在能力を認められたギリアドは、選ばれて訓練され、新しい外見も与えられて「新人類」として生まれ変わる。そして指導教官のゲイルとともに、地球の存続をおびやかすケイスリー夫人殺害の使命を帯びて、夫人の住む月に向かう。
『時を越えて』――異次元へ自由に移動できるようになったアーサー・フロスト教授と学生たちの奇妙な冒険。内容も原題(Elsewhen)も愉快。
『失われた遺産』――人間の脳にかつては備わっていたのに退化してしまった能力があることを発見した男女三人。その能力の研究・開発中に、サクラメント近郊にあるシャスタ山で、1913年に行方不明になったアンブローズ・ビアスをはじめとする超能力者たちと出会う。長編の種のような物語。
『猿は歌わない』――労働猿として人工造成されたネオ・チンパンジーのジェリーはどんどん能力を伸ばし、ついに歌も歌えるようになった。それはジェリーが「人間」であることの証だった。(2010.1.19記)
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by nishinayuu | 2010-03-18 09:50 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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