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『アフルー』(フランツ=オリヴィエ・ジーズベール著、榊原晃三訳、集英社)

c0077412_10193581.jpgアフルーというのは「とても恐ろしい、ぞっとするような」という意味で、登場人物の一人フカール夫人が主人公に付けたあだ名、ということになっている。
主人公のアリスティードは母親によると、「惨めなことに出遭うように生まれついた」。片目はつぶれており、歩行障害もある。アリスティードの家には父親は始めから存在しないし、母親は家事も育児も放棄している。アリスティードが4歳のときに生まれ、彼がいっさいの世話を任されてかわいがって育てていた妹は、ある日、自分は鳥だ、と思いこんで窓から飛び出して死んでしまう。警察も母親も、アリスティードが突き落としたのだろうと決めつける。
アリスティードは母親の祖父母の家に預けられ、後にはひとり暮らしの老人の家に働きに出され、16歳になるとフカール家に働きに出される。このように母親から疎まれ、人びとから蔑まれ、嫌われ、こき使われながらも、アリスティードは決して卑屈になったり人を恨んだりしない。不思議な強さと明るさを持った人間として描かれていて、そうした精神の持ち主にふさわしく、さまざまな困難を克服して最後には幸せをつかむのである。(2009.12.5記)

☆主人公が厳しい状況を切り抜けていくのに大いに力になったのは主人公の優れた家事能力でした。この点は『悪童日記』の場合も同様で、家事能力の重要さを教えられた気がします。ガンバロウ!
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by nishinayuu | 2010-02-13 10:19 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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