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『人形つかい』(ロバート・A・ハインライン著、福島正実訳、ハヤカワ文庫)

c0077412_10755.gif1951年に発表されたもので、訳者あとがきによると、戦後に書かれた侵略ものSFの最高傑作といわれた作品だという。 確かに、登場人物は魅力的だしストーリー展開も迫力があって、楽しい読み物になっている。ただし、侵略者がナメクジのような姿をしているということになっているので、読んでいる間中、微妙に気持ちが悪い。
侵略者は宇宙船に乗ってやって来て、人間に寄生することによって勢力を広げて行く。侵略者は人間の頭脳活動、精神活動を支配するために人間の脊髄の上部に寄生するので、寄生された人間は猫背の状態になる。国連にもCIAにも知られていない特殊機関の機関員である主人公たちは、猫背の人間に注目し、寄生生物を捕まえてその生態を突き止めようとする。しかしその間に侵略者たちはどんどん勢力範囲を広げ、やがてアメリカの各地が支配下に置かれていく。
物語の時代は第3次世界大戦のあとであり、ソヴィエトとの対立は依然として深刻な状態にあるという設定なので、そういう世界情勢の中で宇宙からの侵略を受けたアメリカをすくために活躍する主人公たちが、実にかっこよく描かれている。(2009.11.11記)

☆愉快なのは寄生されているかいないかを見分けるための方法で、はじめは「上半身裸作戦」がとられ、やがてそれはほぼ全身裸作戦へと発展するのですが、これに関する次のようなくだりにはのけぞってしまいました。
いくつかの国はその国民性によってナメクジの侵略をまぬかれていた。フィンランドでは、毎日か二、三日置きに仲間と一緒にスチーム・バスに入らないとひどく目立ってしまうせいで――日本人は平気で着衣を脱ぐせいで、助かった。
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by nishinayuu | 2010-01-13 10:07 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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