『Doctor Dolittle’s Circus』(Hugh Lofting著、Penguin)

c0077412_8531750.jpgアフリカへ旅立つときドリトル先生は、漁師から舟やら食料代やらを借りたので、アフリカから連れてきた「おしつおされつ」(井伏鱒二訳による)を人びとに見物させてお金を稼ぎ、借金を返そうと、ブロッサム・サーカス団に加わる。そのとたんにサーカスの動物たちの悲惨な境遇に心を痛めることになるが、ブロッサムがドリトル先生の意見を聞こうとしないのはもちろんである。そんなある日、ドリトル先生はオットセイのソフィーと知り合い、彼女がベーリング海の夫の元に戻るのを手助けすることになる。まずサーカスのテントからぬけだすのが並大抵の苦労ではなかった。抜け出してから海辺まではスリル満点の珍道中で、やっとのことでソフィーを海に放してやったとたん「妻殺し」の容疑で拘置される、というどたばた劇が展開される。
この巻のドリトル先生は、ソフィー救出の他にも引退した馬のための楽園建設に私費をはたいたり、動物たちが劇を自作自演するサーカス、すなわち本当の「動物たちのサーカス」を作ったり、と八面六臂の大活躍をする。ドリトル先生のサーカスは大成功を収め、動物たちもみんな幸せになる楽しいお話である。ただ、前巻で鳴り物入りで登場した感のあった「おしつおされつ」が、この巻では終始影が薄いのがなんだかカワイソウではあった。(2009.10.3記)

☆画像はRed Fox older fictionのものです。
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by nishinayuu | 2009-11-27 08:53 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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