『The Water-Babies』(Charles Kingsley著、 Project Gutenberg)

c0077412_939443.jpgイギリスの作家・イギリス国教会の聖職者であるキングズリー(1819~1875)作の童話。日本語訳は岩波書店(『水の子』)、偕成社(『水の子どもたち』)などがある。
作家が子どもに語りかける形で綴られているが、言葉づかいや語り口は大人向けのもので、言葉遊びやら百科全書的知識の披瀝に走っている箇所も多い。大人も楽しめる童話、というより大人でないと楽しめない童話であろう。
煙突掃除の親方のもとでこき使われている少年・トムが、お屋敷の煙突掃除の最中にお嬢さんの部屋に姿を現してしまい、無我夢中で逃げだす。お屋敷の人たち、煙突掃除の親方など大勢に追いかけられて力尽きたトムは、川に落ちてそのまま「水の子」になってしまう。ここで作者の、「水の子」というものが存在することを納得させるための説明、が長々と展開される。曰く「陸亀がいれば海亀もいるし、陸の草があれば海の草もあり……」云々。とにかくトムは水の子になってさまざまな生き物や妖精たちと出会い、やがて一人前になるための旅に出る。(2009.7.5記)

☆作中に、オランダ人を母にポーランド人を父にもつある教授の専攻学問の名称として
Necrobioneopalaeonthydrochthonanthropopithekology
ということばが出てきます。もちろん作者の作ったことばでしょうが、「英語でいちばん長い単語は?」という質問にうんざりした人が作りだしたということばで、Mary Poppinsにも出てくる
Supercalifragilisticexpialidocious
は辞書に載っているのに、なぜこちらは辞書に載っていないのでしょう。

☆画像はCollins社のものです。
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by nishinayuu | 2009-08-24 09:39 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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