『ハート・ビート』(シャロン・クリーチ著、もきかずこ訳、偕成社)

c0077412_1023488.jpg読書会「かんあおい」2009年7月の課題図書。
12歳の少女・アニーの日常と心の動きを詩の形式で綴った作品。
アニーが好きなのは――走ること、絵をかくこと、笑うこと。恐れるのは――戦争、自分という存在がなくなること、愛してくれる人のないまま取り残されること。アニーは13歳の男の子・マックスと毎日いっしょに走る。競争ではなく、ただ走りたいから走るのだ。ある日、アニーのお母さんに赤ちゃんが生まれることがわかる。おじいちゃんは「はりにロープをかけて」赤ちゃんに部屋を譲ろうとするし、アニーは得体の知れない赤ちゃんに「かぼちゃ」とか「エイリアン」と呼び名をつける。みんな期待で一杯なのだ。こういう温かい家族の情景と並行して、絵の授業で「一日にひとつのりんご」を描くという課題がでる話やら、いつも裸足で走るマックスに靴を送る話やら、陸上部からの執拗な誘いを蹴る話やらが、リズム感のある文で語られていく。愉快なのは「脚注」という章の後、アニーがさまざまな言葉に脚注をつけていくところ。
すっきりと短い文が並んでいるだけの簡単な読み物ながら、内容は濃い。(2009.7.1記)
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by nishinayuu | 2009-08-17 09:53 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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