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『次郎物語 第1部』(下村湖人著、池田書店)

c0077412_937298.jpg小学生時代に夢中になって何度も読んだ(それを母がなぜかちょっと不愉快そうにしていた)懐かしい作品を「青空文庫」で発見。またまた夢中で読んでしまった。
生まれた直後からばあやに預けられた次郎は、ばあやとの生活にすっかりなじんでしまい、実家に連れ戻されることになるとめちゃくちゃに抵抗する。それがもとで母親としっくりいかなくなり、兄や弟、祖母からも疎まれて、家族の中でのけものになってしまう。父だけが見方をしてくれるようだったが、その父は仕事の都合で土日にしか家に帰ってこない。愛情に飢えて意固地になっていた次郎の小学生時代を描いた作品である。
書き出しの――「しゃくにさわるったら、ありゃしない。」と、うばのお浜が、台所のあがりがまちに腰をかけながらいう。――という文をはじめとして、父からカステラを箱ごと渡される話、正木のおじいさんと星を見る話、家の競売の話――などなどの懐かしいエピソードにまたまた引き込まれ、感動しながら読んだ。(2009.6.26記)

☆画像は偕成社文庫のものです。
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by nishinayuu | 2009-08-10 09:37 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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