『謎のギャラリー 特別室Ⅱ』(北村薫編、マガジンハウス)

c0077412_10131012.jpg著者がミステリー作家の目で選んだアンソロジーで、「ちょっと探せば手に入るものや、あまりにも有名なもの」は除いてあるという。収録作品は以下の通り。
『私のノアの箱船』(ゴフスタイン著、落合恵子訳)ミステリーというよりほのぼのとした童話のよう。
『光と影』(ソログープ著、中山省三郎訳)少年の柔らかな心が「光と影」に取り込まれてしまう。
『死者のポケットの中には』(ジャック・フィニイ著、福島正美訳)ミステリーの基本図書だとか。
『二十六階の恐怖』(ドナルド・ホーニング著、久里瀬いと訳)上と同じクリフ・ハンガーもの。
『親指魚』(山下明生著)「私が電車の中の父を三度否定した日から」という文がケッサク。
『お父ちゃん似』(ブライアン・オサリバン著、高橋泰邦訳)著者9歳のときの処女作。
『狐になった夫人』(ガーネット著、井上宗次訳)「奇譚」。著者の妻による版画の挿絵が付き。

どの作品も初めてのミステリー初心者としては、基本図書の『死者のポケットの中には』と『二十六階の恐怖』がよかった。『光と影』に召使いのプラスコーヴィヤという45歳の寡婦のことを「かなり気丈なおばあさんであった」と書いてあってのけぞった。今だったらまだアラフォーのちょっと上で、若者気分の人もいるだろうに。(2009.6.24記)
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by nishinayuu | 2009-08-03 10:13 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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