『教授たちの殺人ゲーム』(バチヤ・グール著、堀たほ子訳、イースト・プレス)

c0077412_9251652.jpgイスラエルのヘブライ大学を舞台にしたミステリーで、捜査官マイケル・オヘイヨンを主人公とするシリーズの2作目だという。
冒頭の場面は文学部の学部ゼミナールで、講演者はシャウル・ティロシュ教授、トビア・シャイ上級講師、助手のイドー・ドゥダイの三人である。会場に報道関係者が詰めかけているのは、ティロシュがマスコミの寵児だからだ。詩人としても有名なティロシュは優れた学者として学内で大きな力を有し、また魅力的な男性として人びとを魅了する存在である。トビアはティロシュの信奉者であり、イドーはその二人から認められ、引き立てられている若手の学者である。最後に演壇に上がったこのイドーが、詩人として絶対的な権威をもつティロシュの最新作である詩を批判する。ティロシュもトビアもこのイドーの暴挙に驚愕する。
そして事件が起こる。まずイドーがダイビング中に変死する。そして次に、イドーの死に関わりがあるのではないかという疑いのかかっていたティロシュが、長時間放置された悪臭を放つ死体となって発見される。

いよいよマイケル・オヘイヨン捜査官の登場となるが、一癖もふた癖もある教授たち、ティロシュを巡る女性たち、そしてなによりもさまざまな詩にまつわる謎が捜査を複雑にする。原題が『Literary Murder』とあるだけあって、教授たちの詩の研究にじっくり付き合わされるのがちょっとしんどいが、ミステリーならではの緊迫感とすっきり感は充分味わえる。(2009.6.8記)
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by nishinayuu | 2009-07-28 09:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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