『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦著、角川書店)

c0077412_1019556.jpg大学生の「私」と後輩の女子学生「彼女」が交互に語り手として登場し、偶然の出会いから始まった二人の度重なる出会いを描いた小説。2回目以降の出会いは彼女にとってはやはり偶然のものだったが、実は「私」が偶然を装って仕組んだもの。「彼女の天然ぶり」と「私のじたばたぶり」、二人を取り巻く世界にうごめく面妖な人びとの奇っ怪な言動を描いたユーモア小説である。
さて、この小説の特徴の一つはそのユニークな文体である。たとえば、
「偕老同穴の契りを交わした新郎新婦はまさに天衣無縫というべく、お姫様だっこで接吻を交わすところを写真に撮られてもなお恬然としている神をも恐れぬアツアツぶりは、たちまち参会者たちを黒こげにした。」というような、硬い漢字語と軽い乗りがごちゃ混ぜになった文。これが楽しめないようでは、登場人物たちにも、話の展開にも共感できないだろう。実は私はこの文体を楽しむことができなかった。したがって、いちおう最後まで読んだが、どの人物にも、どの場面にも共感できなかった。(2009.5.20記)
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by nishinayuu | 2009-07-11 10:20 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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