「ほっ」と。キャンペーン

『フランセスの青春』(R.E.ハリス著、脇明子訳、岩波書店)

c0077412_959329.jpg「ヒルクレストの娘たち」シリーズの第二巻。この巻の主人公はパーセル4姉妹の長女フランセスで、第一巻と同じく1910年から1920年までの10年間が、フランシスの視点から描かれている。
両親を相次いで無くしたとき、姉妹四人の代表として弁護士に立ち向かったフランセスは、妹たち、特に末っ子のセーラから見ると頼もしい「大人」だったが、実際は不安でいっぱいの17歳の少女だった。ヒルクレストの家を手放さないこと、妹たちには勉強を続けさせること、自分はロンドンにある美術学校スレイドで3年間勉強すること――フランシスの頭の中はそのことでいっぱいだった。目標に向かってがむしゃらに突き進むフランセスは、周りの人の目には強引で自分勝手に映ることもあった。もともとフランセスは周りの人と上手に付き合う、ということができないたちだった。(それはフランセスが抜群の画才に恵まれていたため、芸術家や天才特有の奇抜さも併せ持っていたからかもしれない。)
マッケンジー家のガブリエルはそんなフランシスを生涯の伴侶にしたいと考えている。フランシスもよき理解者であり相談相手であるガブリエルを愛している。しかしフランシスは絶対に結婚はしない、と心に決めている。母親がせっかくの絵の才能を結婚や子育てでつぶしてしまい、再度挑戦しようとしても手遅れだったために生きる気力を無くした、と信じているからだった。結婚を迫るガブリエル、自分を理解してくれないことに憤慨するフランシス。惹かれ合いながらも互いに相手に腹を立てたまま、ガブリエルは志願して戦場へ行ってしまう。初めは第1次世界大戦の戦場へ、次はアイルランドへ。ふたりの距離が絶望的に離れてしまったときフランシスのもとに、ガブリエルが生死の境にいる、という知らせが入る。(2009.4.20記)
[PR]
by nishinayuu | 2009-06-23 09:59 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/11806448
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 『海を渡るジュリア』(R.E.... 英詩「ともしび」 ボーディロン >>