『風と木の歌』(安房直子著、偕成社文庫)

c0077412_9105155.jpg読書会「かんあおい」2009年2月の課題図書。
8つの短編からなる童話集で、小学校の教科書に載っているものもあるという。

『きつねの窓』――宮沢賢治の世界を思わせる、幻想的で美しい物語。たとえばこんな文がある。「すると、地面も、なんだか、うっすらと青いのでした」「すると、きつねは、もううれしくてたまらないという顔をしました」
『さんしょっ子』――日本の昔話やら『人形姫』風の展開やらが盛り込まれていて、やや統一感に欠ける。
『空色のゆりいす』――椅子つくりの男が自分の子どものために、野原の木の下で出合った男の子に空の色を分けてもらって椅子をすてきな空色に塗る。目の見えない娘は、この椅子に座って空の色を覚えた。というすてきなすべり出しで、空色を手に入れる方法もすばらしい。ただ、不思議な男の子が、成長するにつれてふつうの人になっていくようで、寂しい。
『鳥』――女の子と魔法使いと耳のお医者さんが出てくる、不思議でおかしくてちょっと哀しいお話。

他に『もぐらのほったふかい井戸』、『鳥』、「あまつぶさんとやさしい女の子」、『夕日の国』、『だれも知らない時間』など。(2009.2.18記)
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by nishinayuu | 2009-05-16 09:10 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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