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『おもいでエマノン』(梶尾真治著、徳間書店)

c0077412_9115033.jpg1979年から1982年にかけて「SFアドベンチャー」に掲載された7編を収録した短編集。
エマノン(emanon)はno nameのアナグラムで、全編に登場する女性の呼称である。エマノンは、地球に生命が発生して以来の何十億年もの“時”を、連結した転生の繰り返しで生きてきた女性で、この名前は次々に新しい女性に引き継がれていくのである。
たとえば最初の「おもいでエマノン」では、語り手が13年ぶりに出会った女性は、かつてのエマノンであることは確かなのに本人にはまったくその記憶がなかった。エマノンの記憶は彼女の生んだ娘に引き継がれていたのである。だからその新しいエマノンは語り手に駆け寄って、「あなたも(13年前の)面影が残ってる」と告げるのだ。
7編に共通するのはエマノンが登場するということだけで、「おもいでエマノン」のようにほんわかした作品もあれば、かなりグロテスクな「さかしまエングラム」「うらぎりガリオン」といった作品もあり、最後の「しおかぜレヴォリューション」のようにメッセージ性の強い作品もある。(2009.1.26記)
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by nishinayuu | 2009-04-21 09:11 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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