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『覆面作家の愛の歌』(北村薫著、角川書店)

c0077412_8532634.jpg内容からすると『覆面作家は二人いる』と『覆面作家の愛の家』の間に位置する作品。1994年4月から1995年にかけて「野生時代」に発表された連作3編からなる。
「覆面作家のお茶の会」では覆面作家こと新妻千秋が、ケーキ屋さんの一代目失踪の謎と店の存続問題を手際よく解決してみせる。雑誌『推理世界』の編集者である岡部良介と、ライバル誌『小説ワルツ』の編集者である静美奈子の出会いも盛り込まれている。
「覆面作家と溶ける男」では良介の兄優介が捜査している誘拐事件が静さんと覆面作家の千秋さんの活躍で解決する。ここで優介と静さんが大いに接近しており、二人の今後が暗示される展開になっている。
「覆面作家の愛の歌」では劇団員が絡んだ殺人事件を、覆面作家の千秋さんが「命がけで」解決する。事件の前の段階では千秋さんの両親のこと、執事の赤沼氏のことなど、千秋さんの身辺情報が明かされている。また、シェイクスピアのいくつかの作品やらクラシックの演奏時間やらに関する、この作家にしては軽めの蘊蓄も楽しめる。(2009.1.15記)

☆揚げ足取りを一つ。「赤沼さんはあわや日本チャンピオンかというボクサーだったんですって」の「あわや」はいかがなものでしょう。
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by nishinayuu | 2009-04-04 08:55 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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