『覆面作家は二人いる』(北村薫著、角川書店)

c0077412_921514.jpg1991年に「野生時代」に発表された連作3編をまとめたもの。
この著者の作品としては珍しく語り手が男性になっている。岡部良介という名で、推理雑誌の編集者である。彼には警視庁の刑事である双子の兄がいて、その名はなんと岡部優介。
ある日、先輩の敏腕編集者である左近雪絵が良介に、新妻千秋という人物に会ってくるように、と声をかける。非凡な才能を感じさせるけれどもどこかへんてこりんな作品を編集部に送りつけてきたこの人物は、男なのか女なのか、若いのか年寄りなのか、うぶなのか訳知りなのか、まるで頓珍漢なのだという。良介が訪ねてみると新妻千秋は、目を疑うほどの豪邸に住む、天国的美しさを持つ若い女性だった。内弁慶ならぬ外弁慶、という驚くべき人格を持つ彼女は、常人には見えないものを見抜いてしまうというこれまた驚くべき推理力の持ち主でもあった。こうして二重人格の女の子と、同じ顔を持つ二人の男が絡み合い、ややこしいことになったり、難事件があっけなく解決されたり、という愉快でお気楽なお話。(2009.1.1記)
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by nishinayuu | 2009-03-24 09:02 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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