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『オーケ通り』(カルロ・ルカレッリ箸、菅谷誠訳、柏艪社)

c0077412_15465623.jpg副題は「デルーカの事件簿Ⅲ」。

第二次世界大戦が終わって間もない1948年のイタリアはボローニャ。この街の警察の風紀取締班に配属された捜査官補デルーカは、着任早々殺人事件の捜査に奔走することになる。事件の発生したのが風紀取締班の管轄である売春宿の街・オーケ通りの23番地だったからだ。被害者は娼館の用心棒だったエルメス・リチョッティ。捜査の相棒は以前からの知り合いである警部補のプリエーゼ。彼はデルーカの昔からの知り合いで、デルーカとの再会をよろこんで全面的にデルーカに協力するとともに、署内の政治的事情についてデルーカに教示する。共和国憲法に基づいた総選挙を数日後に控えて、キリスト教民主党とイタリア共産党との激しい対立が警察の中にも不穏な空気を醸し出していたのである。そんな中でまた新たな殺人事件が起こり……。

事件の黒幕はわりあい早い段階でわかってしまうが、何か訳ありで陰のあるデルーカがそれをどうあばいていくか、またその黒幕を追い詰められるか、が興味の焦点となる。スマートでかっこいい捜査官のイメージとはかけ離れたデルーカの「ほろ苦い事件簿」である。(2008.10.8記)
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by nishinayuu | 2009-01-01 15:47 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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